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エステなら敷居が低いか?

女性誌やインターネットにおけるエステティックサロンの広告でも、ワキガ治療を謳ったものをよく目にします。エステティックサロンで受けられる施術内容は、ひと昔前の美顔中心のものから、痩身やムダ毛処理など、若い女性にアピールするメニューに裾野を広げ、より身近な癒しの空間となっているようです。医療機関に比べて気軽に足を運べるでしょうし、脱毛の相談に行って、「ワキガ治療もできますよ」と勧められるケースもあるでしょう。

しかしながら、「エステでワキガ治療をしたのですが、再発したらしくて…」と、クリニックへ再治療にいらっしゃる患者さんが少なくないのも事実なのです。エステでのワキガ治療はクリニックと違い、永久脱毛の技術を応用した理学療法です。これにも、さまざまな種類がありますが、本当にワキガや多汗症が治せるか?というと、いくつかの疑問があります。その一つ一つを検証してみましょう。

(電気分解法)
毛穴に針を刺して電流を流すことで毛根を破壊する、脱毛法としては最もポピュラーな方法です。「毛根とともにアポクリン汗腺の分泌口も破壊できるので、ワキガにも効果がある」という理屈です。一見、合理的な方法に思えますが、これにはいくつか難点があります。まず、ワキ毛を1本ずつ処理していくので、非常に時間がかかるということです。ワキ毛の量は個人差がありますが、片側で約800本。それを1本ずつ処理していくわけですから、最低でも数ヶ月、人によっては2年近くかかるケースもあります。

しかも費用はかかった時間に比例しますから、決して安い金額ではないと思われます。最大の欠点は「痛みが伴う」という点でしょう。ワキの下は、ただでさえ敏感な場所です。電気分解法は、この毛穴に針を差すわけですから、しばしば痛みを伴います。エステは医療機関ではないので麻酔が使えません。数百回も続く痛みに耐えかねて、クリニックでのレーザー脱毛へ駆け込んでくる患者さんも後を絶たないのです。何よりも、この方法ではもともと脱毛が目的です。毛根の処理はできたとしても、アポクリン汗腺を完全に破壊することは難しく、単に汗腺の出口を塞ぐだけに過ぎません。

時間が経てば汗腺はまた開口して、再び汗は分泌するようになります。しかも、この方法ではエクリン汗腺は破壊することができません。多汗症も併発している場合は全く効果がないばかりか、時には毛穴を広げてしまい、かえって汗の量を増やす結果にもなりかねません。その結果、「治療したのに再発した」ということになるわけですが、もともと「一時しのぎ」にしかなっていない場合も多いようです。電気分解法は、脱毛法としては広く普及していますが、完全脱毛の成功率は約40%程度でしょう。