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「超音波治療」の優れた点①

「超音波治療」の最も優れた点は、皮膚を大きく切開することがないので、患者さんへの肉体的なダメージが非常に少ないというところにあります。わずか数ミリの切開で済むので、強い麻酔も必要とせず、体に優しい「カリフォルニア式麻酔」などを用いて、痛みを最小限に抑えることができます。また、どうしても麻酔注射に不安があるという方は、さらなる処置をした上で、治療を受けることもできます。誰でも「痛い」のは嫌なもの。医療の最大の目的は痛みの除去であると言っても過言ではないでしょう。しかし、その心配が無いとなれば、手術への不安もかなり軽減されるのではないでしょうか。

従来の手術法であった切除法や勢除法では、ワキを切開するために、大きな傷跡が残ってしまうのが最大の欠点でした。この傷跡は時間とともに、目立たなくなってきますが、それでも全く気にならないレベルまではなかなか望めませんでした。それを可能にしたのが超音波治療です。「超音波治療」の場合、皮膚の切開はほんの数ミリですから、縫合も抜糸の必要のない糸を使い、せいぜい1針程度で済んでしまいます。

これも術後時間が経つにつれ薄れていきますから、やがては、よほど目をこらさないとわからないほど目立たなくなります。例えば、リゾートホテルのプールサイドで、お気に入りの水着姿でロングチェアに横たゎるあなたをイメージしてください。仰向けになって両手を頭の下で組むようなワキを露出したポーズでも、傷の存在に気づく人はまずいないでしょう。あなたがモデルさんやタレントさんのお仕事をしていて、この姿勢で撮影に臨んだとしても、修正の必要などないはずです。

もちろん、数ミリとはいえ皮膚を切開するわけですから、傷跡が「全く残らない」というわけにはいきませんが、それは本当にかすかなものです。いわゆる「手術跡」といわれるものとは全く違いますので安心してください。せっかくワキ汗やワキ臭を解消しても、その代償にノースリーブや水着が着られなくなるのでは、心から悩みを解消できたとは言えませんね。その意味でも、超音波治療法のもたらした恵みは大きなものだと思っています。

「ワキガ・多汗症」超音波治療法とは

超音波治療法とは、皮下組織全体に超音波を当て、特別な周波数で汗腺類のみを破壊する治療方法です。皮膚に数ミリの小さな穴を開け、そこから超音波発生器を差し込むだけなので、傷跡はほとんど目立ちません。神経や血管などの大切な組織を傷つけることもありませんから、後遺症の心配や体へのストレスが極めて少ないのも大きな特長です。弾力性のない固い汗腺類と、弾力性を持つ血管と神経で脇の下の皮下組織はできています。

そこで、超音波の振動エネルギーをまともに受ける固い汗腺類は破壊され、振動エネルギーをかわす弾力性を持つ血管や神経組織は破損されないという差異を利用して治療します。しかも、施術時間はわずか30分ですから、術後の回復も極めて早く、基本的には入院や通院の必要がありません。超音波治療法以前の手術法では、手軽さと治療効果の間には「あちら立てればこちらは立たず」といった歯がゆさがありましたが、これは、手軽さも高い治療効果も共に満足できる画期的な方法なのです。その主な特長をもう一度おさらいしておきましょう。

●痛くない
●傷跡の心配がない
●血管や神経を傷つけず、後遺症の心配がない
●たった30分で施術完了
●術後の回復が早い
●基本的に入院・通院が不要
●ワキ毛を残す選択も可能
●治療効果が高く、再発の不安がない

「ワキガ・多汗症」手術法③

●皮下組織吸引法
ワキに直径数ミリの小さな穴を開け、そこから「カニューレ」という細い管を差し込み、汗腺類を掻き取りながら吸い取ってしまう方法です。この手法は、腹部や太ももなどの脂肪を吸引してスリムにする「脂肪吸引」の美容技術と同じものです。皮膚を切開するのではなく、小さな穴を開けるだけなので、傷跡もほとんど残らず、体への負担が極めて軽いことが最大の特長です。

さらに、術後の回復も早いので、入院の必要がない手軽さも大きなメリットでしょう。現在でも「ワキガ・多汗症」の治療として主流になっており、多くのクリニックで採用されている方法です。しかし、吸引法の場合もやはり汗腺類を完全に除去することは難しく、十分な治療効果があがらないこともあります。症状が重い患者さんですと、手術後にも「まだ少しニオイが残る」ということがあるのも事実です。

従来の欠点をクリアしたのが「超音波治療」です。これまでさまざまな治療法が考案されてきましたが、「超音波治療」は、これら従来の治療法が抱えていた問題をすべてクリアできる、現在では最先端の治療法です。

「ワキガ・多汗症」手術法②

●皮下組織掻爬法
ワキに小さな切り込みを入れ、そこから「キューレット」と呼ばれる、スプーン状の器具を差し込んで汗腺類を掻き出す方法です。この方法を用いると、先に挙げた手術法に比べて傷跡も比較的小さくて済むことが最大のメリットです。しかし、小さな穴から手探りで汗腺類を掻き取るので、やはり熟練した技術が必要です。経験の浅い医師では、周辺の組織を傷つける可能性もあります。その結果、術後の回復に時間がかかったり、逆に慎重になりすぎて汗腺類が取りきれず、十分な効果が得られなかったりという事態も考えられます。この方法も、最近では治療効果や術後経過の不安定さから、次第に行われなくなっているようです。

●皮下組織削除法
皮下組織掻爬法ではキューレットというスプーン状の専用器具を用いましたが、皮下組織削除法は、ハサミ状の専用器具を使って皮膚内の組織を均一に削ぎ取るという方法です。この器具は、片方の刃に当たる部分にはローラーが、もう片方には皮下組織を掻き取るための刃がついています。ワキに1センチほどの切れ目を入れて、刃の方を皮下組織に差し込みます。そしてローラー部分を皮膚表面に当て、転がしながら皮膚内の組織を均一に削ぎ取っていきます。この方法は、上手く施術すればアポクリン汗腺だけでなく、エクリン汗腺や皮脂腺まで取り除くことが可能で、「ワキガ・多汗症」の両方を治療することが可能です。

しかし、一度に広範囲の施術をすることは難しく、それが最大の欠点と言えるでしょう。ワキ全体を行うには、結局、数カ所に切れ目を入れますから、小さいとは言え、多くの傷跡が残ってしまうことになります。また皮膚を薄く削り取るため、皮膚に黒ずみが残りやすく、かなり熟練した医師の技術が要求されます。技術が未熟だと、皮膚に穴を開けてしまう可能性もあります。3日間の入院と、術後1週間はワキを固定しておく必要があるなど、手術後の生活への支障も覚悟しなければなりません。手軽さという点から考えると、まだ課題の残る方法かもしれません。

「ワキガ・多汗症」手術法①

●切除法
最も初期段階で行われた古典的な方法で、ワキ毛の生えている部分に沿って、皮膚を皮下組織ごと根こそぎ切り取ってしまうものです。汗とニオイの原因になる汗腺類を完全に除去するという治療の目的はしっかり果たすことができます。しかしながら、この術法には大きなデメリットがありました。まず切除範囲が広いために、脇の下に比較的大きな傷跡が残ります。ジグザグに切れ目を入れることで、少しでも傷跡を目立たなくする方法も試みられましたが、やはりノースリーブや水着を着るには勇気がいる程度の傷跡になる場合が多かったのです。

切除後の縫合には、残った皮膚を引き寄せることになるので、腋が引きつってしまい、人によっては腕の上げ下ろしに支障をきたしたり、血管や神経を圧迫することで、むくみや運動障害などの後遺症が現れたりすることもありました。切除範囲が広いということは、手術中の出血も多くなりますから、完治するまでに二週間の安静が必要でした。これらのリスクを考えると、そうそう気軽に受けられる方法とは言えません。現在はこんな乱暴な治療を行っている医療機関はないと思われます。とは言え、この切除法がもたらした問題点こそが、いまだに「ワキガ・多汗症の手術は後遺症がコワイ!」という印象を多くの方に植え付ける要因になってしまったように思われます。

●剪除法
脇の下に数センチの切れ目を入れて皮膚を裏返し、目視によってアポクリン汗腺を確認しながら切り取っていく方法を、勢除法または反転勢除法といいます。切除法のような皮膚を根こそぎ切り取るわけではないので、術後の引きつれなどは起こりにくいという長所があります。しかし、皮膚にメスを入れることに変わりはないので、傷跡や色素沈着が残ってしまうことは免れません。厳に寄るシワに合わせて切開するなど、工夫は凝らされてきましたが、傷跡をなくすことは不可能です。腋全体に分布しているアポクリン汗腺を全て除去するためには、それに応じて傷跡も大きくなり、出血量も多くなりました。よって術後の回復に時間がかかる場合もあります。

剪除法が抱えるもう一つの問題点は、ワキガは治せても、多汗症を治すのは困難だという点です。ワキガ体質の人は同時に多汗症の症状を持っていることがよくありますので、せっかく手術をするなら、同時に行いたいもの。ですが、多汗症を引き起こしているエクリン汗腺は、アポクリン汗腺よりも皮膚の浅い部分にあります。そのため、これを切除しようとすると、皮膚を薄く削ぎ落とすような極めて高度な技術が必要になり、下手をすると皮膚に穴を開けてしまう可能性もあります。同時に行うには、医師の熟練した高い技術が要求され、時間もかかることから、費用も割高に設定されることが多いようです。

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