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最適なウキ汗・ウキ臭対策は?②

(制汗剤)
制汗剤とは皮膚の毛細血管を収縮させることで、発汗を抑える効果を狙った、いわゆる「汗止め」です。こうした汗止めには、古くはミョウバンがよく使われていました。どちらもニオイのもとにむる汗を抑えるわけですから、ある程度はニオイを減少させる効果はあります。しかし、残念ながらその効果はよく持って半日から一日程度です。毎日、定期的に使う必要があり、かなりの手間が掛かるといえます。

(消臭剤)
消臭剤はトイレや室内のニオイ消しと同じ原理で、イヤなニオイを中和するものと、他の香りで覆い隠すタイプがあります。これには、ローション、クリーム、スプレー、パウダーなど、さまざまなタイプがあります。特に効果が期待できそうなのは、ローションやクリームの肌に直接塗り込むタイプものです。この場合も、ワキガ臭が強ければ、香水と同様にワキガ臭と混じり合って逆効果になってしまう可能性があるので要注意です。

(殺菌剤)
殺菌剤は、過酸化亜鉛や硫酸オキシキノリン、ヘキサシミンなどの薬剤を配合したものが多く、ニオイの元凶となる皮膚の細菌をやっつけるものです。これらもそれなりの効果は期待できますが、日常的に長期間使用するには、皮膚への影響が心配です。これらのデオドラント製品は、気軽に使えることが最大のメリットです。普通の汗っかきさん、つまりエクリン汗やそのニオイを抑えるには効果が望めますが、強いワキガ臭を完全にカバーすることは不可能です。また、これらの製品は使用前に皮膚を清潔にしなければならず、しかも汗をかくと消臭効果が衰えてしまいます。一定の短期間に使用するには有効ですが、やはり毎日使うとなると、それなりの手間と出費、さらには皮膚へのダメージも考えておく必要がありそうです。

最適なウキ汗・ウキ臭対策は?①

●香水などでニオイを抑える
香水やオーデコロンなど他の香りをつけて、ニオイを抑える”マスキング”方法を続けている方もいらっしゃると思います。心安らぐフローラルの香りなどをつければ、ワキ臭も少しは和らぎ、気分転換にもなりますね。軽度なワキガ体質の方なら、ある程度の効果が期待できるでしょう。けれども、強いワキガ臭を紛らわすには、相当に香りの強いものを使用しなければなりません。すると、どんなことが起きるでしょうか? 香水の香りとワキガ臭という個性の強いニオイが混じって、強い刺激臭になってしまうことがあるのです。

人によっては、ワキガ以上の悪臭に感じることもあり、これでは香りの演出も逆効果です。最近は、アロマテラピーなどを勉強して、自分で香りを調合する方もいらっしやいます。殺菌効果もあるティートゥリーなど、エッセンスオイルにはさまざまな効果があるようですが、肌につけるとなると希釈や調合の仕方など、専門的な勉強が必要であり、場合によってはやはり炎症を起こす可能性もあることを知っておいてください。

●デオドラント製品を使いこなす
デオドラント製品と呼ばれるものはどうでしょうか? 近年の清潔志向、消臭志向を反映してか、今や携帯電話と同じく、中高生でも日常的に携行しているとも言われ、その数は200種類近くもあるとか。これらのデオドラント製品は大きく三種類に分類できます。汗を抑える「制汗剤」、ニオイを消す「消臭剤」、そしてニオイの原因となる雑菌を消す「殺菌剤」です。

自分でできるウキ汗・ウキ臭対策はあるのでしょうか?

「一人で悩んでいないで、気軽に専門医のカウンセリングを」と繰り返し述べてきましたが、みなさんけっして何もせずにただ悩んでいたわけではないと思います。さまざまな手段を試みては、少しでもニオイを軽減できないかと頑張ってこられたはずです。「これは効果的かも」と思われることもあれば「気休めだったかな…」というものもあり、一進一退を繰り返しているからこそ、さらに悩みがふくらんでしまうのですね。それでは実際に、ワキ汗やワキ臭に悩む方々が試されているセルフケアや、医療機関以外の施設での治療法がどの程度効果的なのでしょうか。

●こまめに拭いて、清潔を保つ
ほとんどの方がまず最初に試みる対策だと思います。実行している万が一番多いポピュラーな方法であるでしょう。「清潔を保つ」という基本ケアは、もちろんある程度の効果が期待できます。ワキガ臭の原因は、アポクリン汗腺から分泌された汗が細菌と結びついて発する腐敗臭であるというお話をしました。それならば、かいた汗をそのままにしないようにすれば、ニオイはかなり軽減するはずです。汗をかいたらこまめに拭き取り、できるだけ清潔な状態をキープすること。

これは基本中の基本とも言えますが、より効果を持続させるためには、同時に殺菌剤で消毒を行うと良いでしょう。これを一日数回、定期的に繰り返せば、ワキガ臭はかなり軽減できます。殺菌剤というと何だか強力な薬剤のように思われる方もあるかもしれませんが、昔からよく使われてきたのがホウ酸です。最近ではより手軽な消毒用軟膏なども市販されており、これも有効です。軽度のワキガ臭なら、これでかなりの軽減が期待できます。

しかし、このケア方法にも限界があります。難点は、とにかく手間がかかること。両ワキをきれいに拭いて、殺菌剤で消毒をするのは、「いつでもどこでも」というわけにもいきません。これを1日に何回も繰り返さなければならないのはかなり面倒なことです。何より注意が必要なのは、殺菌剤を長期間使用し続けると、皮膚に炎症を起こす可能性がある点です。旅行先やちょっとしたパーティの間だけといった、短期間に行うのであれば、殺菌剤はとても有効な方法と言えますが、長期間の使用はあまりおすすめできません。

ワキガを併発している多汗症もあります

ワキガと多汗症は別ものだと重ねて説明しました。ワキガはアポクリン汗腺から分泌する汗が原因ですし、多汗症はエリクン汗腺から分泌する汗によるものです。多汗症はエクリン汗腺からの汗なので、基本的に汗自体にニオイはありません。しかし、アポクリン汗腺からの汗が、皮膚の常在菌と結びついて発生したワキガ臭を、増長する役割をしてしまうのです。

特に最近、多い症状としては、緊張や興奮した時に発汗するだけではなく、日常生活の中で、常に局所(わきの下、手の平、足の裏など)が汗ばみ、流れ落ちるほどの汗をかくというタイプの多汗症です。これは精神的、神経的なものによって起こることから考えられ、現代社会がストレス社会であることを反映しているように思われます。もちろんこうした場合でも、ワキガ治療同様に簡単な外科手術で症状を解消することができます。

大量に汗をかく場合には、多汗症とは関係なく、その裏に思わぬ病気が潜んでいることもあります。例えば、高齢者は通常、代謝が低下しますので、汗の量は減少するのが一般的な傾向です。逆に汗がたくさん出る場合は、なにか疾患を抱えている可能性があります。微熱を伴う場合などは、感染症が疑われます。また、糖尿病を患っている人が急に大量の汗をかいた場合は、低血糖状態になっている
ことが考えられ、この場合はできるだけ迅速に糖分の補給をする必要があります。

甲状腺機能亢進症の初期徴候でも、異常に汗をかきやすくなります。発汗の他、手の震えや動悸をともなっていないか? 調べてみてください。肥満傾向にある高齢者で、心機能に負担がかかり過ぎると、ちょっとしたことで大量の汗をかくことがあります。心機能が低下していることも考えられるので、心電図や血圧などの検査をした方が良いでしょう。

脳卒中の後遺症を残す方は、発汗調節機能も障害を受けていますので、部分的な発汗が多く出ます。また、老年期に入っての様々な不安による自律神経失調症の病状の一つに、発汗異常が見られることがあります。この場合は、食欲不振、不眠、便秘、下痢などの症状がないか?チェックして下さい。当然、これらのような症状の場合は、多汗症ではありません。至急、専門医の診断を受け、適切な治療を行うことが大切です。

多汗症はどのくらいの汗をかくのでしょうか?

いずれの多汗症においても、問題となるのは、多量の汗をかくために二次的な症状を生み出すことです。実際に、多汗症はどのくらいの汗をかくのか、幾つかの例をあげてみましょう。

●汗ジミ・黄バミ
ワキの下にいつも汗をかいている状態で、着ているものに汗ジミや黄バミなどができる場合は要注意です(ただし、汗をかいたシャツなどをそのまま長い時間放置して、できる場合は違います)。

●握手できない
手の平が常にビショビショで大事な書類の記入がしづらかったり、握手がためらわれたりするのも判断基準の一つと言えるでしょう。

●靴を脱げない
よそのお宅を訪問したり、日本料理店などで、靴を脱いで上がる時、床に足跡がつくほど靴下が汗でぐっしょり、そのせいでニオイを放つなど、訪問先の状態がひどく気になる場合もあてはまるでしょう。

汗やニオイが気になる人の中には、汗をかきたくないからといって水分を控える人がいますが、これは間違っています。汗は、体温調節などのために身体が必要だからかくのであって、水を飲んだからといって、それらが全部、汗になるわけではありません。通常の健康状態で大量の水分をとっても、汗をかく必要がなければ、それは汗よりも尿として排出されますので、生理的な汗はそんなに増えるものではないのです。もちろん、あなたが精神性発汗によって汗をかくタイプでしたら、飲む水の量を減らしても汗のかく量は減りません。特に夏場などは、汗を気にし過ぎて水分を控えていると、脱水症状や熱中症の原因になる危険性がありますから、誤解のないように適切な水分補給を心がけていただきたいものです。