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自分でできるウキ汗・ウキ臭対策はあるのでしょうか?

「一人で悩んでいないで、気軽に専門医のカウンセリングを」と繰り返し述べてきましたが、みなさんけっして何もせずにただ悩んでいたわけではないと思います。さまざまな手段を試みては、少しでもニオイを軽減できないかと頑張ってこられたはずです。「これは効果的かも」と思われることもあれば「気休めだったかな…」というものもあり、一進一退を繰り返しているからこそ、さらに悩みがふくらんでしまうのですね。それでは実際に、ワキ汗やワキ臭に悩む方々が試されているセルフケアや、医療機関以外の施設での治療法がどの程度効果的なのでしょうか。

●こまめに拭いて、清潔を保つ
ほとんどの方がまず最初に試みる対策だと思います。実行している万が一番多いポピュラーな方法であるでしょう。「清潔を保つ」という基本ケアは、もちろんある程度の効果が期待できます。ワキガ臭の原因は、アポクリン汗腺から分泌された汗が細菌と結びついて発する腐敗臭であるというお話をしました。それならば、かいた汗をそのままにしないようにすれば、ニオイはかなり軽減するはずです。汗をかいたらこまめに拭き取り、できるだけ清潔な状態をキープすること。

これは基本中の基本とも言えますが、より効果を持続させるためには、同時に殺菌剤で消毒を行うと良いでしょう。これを一日数回、定期的に繰り返せば、ワキガ臭はかなり軽減できます。殺菌剤というと何だか強力な薬剤のように思われる方もあるかもしれませんが、昔からよく使われてきたのがホウ酸です。最近ではより手軽な消毒用軟膏なども市販されており、これも有効です。軽度のワキガ臭なら、これでかなりの軽減が期待できます。

しかし、このケア方法にも限界があります。難点は、とにかく手間がかかること。両ワキをきれいに拭いて、殺菌剤で消毒をするのは、「いつでもどこでも」というわけにもいきません。これを1日に何回も繰り返さなければならないのはかなり面倒なことです。何より注意が必要なのは、殺菌剤を長期間使用し続けると、皮膚に炎症を起こす可能性がある点です。旅行先やちょっとしたパーティの間だけといった、短期間に行うのであれば、殺菌剤はとても有効な方法と言えますが、長期間の使用はあまりおすすめできません。

ワキガを併発している多汗症もあります

ワキガと多汗症は別ものだと重ねて説明しました。ワキガはアポクリン汗腺から分泌する汗が原因ですし、多汗症はエリクン汗腺から分泌する汗によるものです。多汗症はエクリン汗腺からの汗なので、基本的に汗自体にニオイはありません。しかし、アポクリン汗腺からの汗が、皮膚の常在菌と結びついて発生したワキガ臭を、増長する役割をしてしまうのです。

特に最近、多い症状としては、緊張や興奮した時に発汗するだけではなく、日常生活の中で、常に局所(わきの下、手の平、足の裏など)が汗ばみ、流れ落ちるほどの汗をかくというタイプの多汗症です。これは精神的、神経的なものによって起こることから考えられ、現代社会がストレス社会であることを反映しているように思われます。もちろんこうした場合でも、ワキガ治療同様に簡単な外科手術で症状を解消することができます。

大量に汗をかく場合には、多汗症とは関係なく、その裏に思わぬ病気が潜んでいることもあります。例えば、高齢者は通常、代謝が低下しますので、汗の量は減少するのが一般的な傾向です。逆に汗がたくさん出る場合は、なにか疾患を抱えている可能性があります。微熱を伴う場合などは、感染症が疑われます。また、糖尿病を患っている人が急に大量の汗をかいた場合は、低血糖状態になっている
ことが考えられ、この場合はできるだけ迅速に糖分の補給をする必要があります。

甲状腺機能亢進症の初期徴候でも、異常に汗をかきやすくなります。発汗の他、手の震えや動悸をともなっていないか? 調べてみてください。肥満傾向にある高齢者で、心機能に負担がかかり過ぎると、ちょっとしたことで大量の汗をかくことがあります。心機能が低下していることも考えられるので、心電図や血圧などの検査をした方が良いでしょう。

脳卒中の後遺症を残す方は、発汗調節機能も障害を受けていますので、部分的な発汗が多く出ます。また、老年期に入っての様々な不安による自律神経失調症の病状の一つに、発汗異常が見られることがあります。この場合は、食欲不振、不眠、便秘、下痢などの症状がないか?チェックして下さい。当然、これらのような症状の場合は、多汗症ではありません。至急、専門医の診断を受け、適切な治療を行うことが大切です。

多汗症はどのくらいの汗をかくのでしょうか?

いずれの多汗症においても、問題となるのは、多量の汗をかくために二次的な症状を生み出すことです。実際に、多汗症はどのくらいの汗をかくのか、幾つかの例をあげてみましょう。

●汗ジミ・黄バミ
ワキの下にいつも汗をかいている状態で、着ているものに汗ジミや黄バミなどができる場合は要注意です(ただし、汗をかいたシャツなどをそのまま長い時間放置して、できる場合は違います)。

●握手できない
手の平が常にビショビショで大事な書類の記入がしづらかったり、握手がためらわれたりするのも判断基準の一つと言えるでしょう。

●靴を脱げない
よそのお宅を訪問したり、日本料理店などで、靴を脱いで上がる時、床に足跡がつくほど靴下が汗でぐっしょり、そのせいでニオイを放つなど、訪問先の状態がひどく気になる場合もあてはまるでしょう。

汗やニオイが気になる人の中には、汗をかきたくないからといって水分を控える人がいますが、これは間違っています。汗は、体温調節などのために身体が必要だからかくのであって、水を飲んだからといって、それらが全部、汗になるわけではありません。通常の健康状態で大量の水分をとっても、汗をかく必要がなければ、それは汗よりも尿として排出されますので、生理的な汗はそんなに増えるものではないのです。もちろん、あなたが精神性発汗によって汗をかくタイプでしたら、飲む水の量を減らしても汗のかく量は減りません。特に夏場などは、汗を気にし過ぎて水分を控えていると、脱水症状や熱中症の原因になる危険性がありますから、誤解のないように適切な水分補給を心がけていただきたいものです。

局所性多汗症とは?

●手掌多汗症
局所性多汗症のひとつで、手のひらに異常な発汗をするという症状です。通常、人は極度の緊張状態になると「手に汗撞る」状態になるもので、これは自然な生理現象ですが、手掌多汗症は、緊張していなくても常に手の平に汗をかいてしまう状態なのです。かく汗の畳も人それぞれで、多少湿っている程度の人もいれば、汗が滴り落ちるほどの発汗をする人もいます。持っている紙やハンカチがビショビショになったりする場合は、人と握手をするのも躊跨されるなど、日常・社会生活に支障をきたすことがあるようです。

●足蹠多汗症
局所性多汗症のひとつで、足の裏に異常な発汗をするという症状です。足裏に大量に汗をかくため、靴下が濡れてスリッパやサンダルが履けない。靴を脱いで歩くと足跡がクッキリついてしまうため、恥ずかしくて人の家に上がれないほど、手掌多汗症同様に、日常・社会生活に支障をきたすこともあり得ます。

●味覚性多汗症
味覚性多汗症の特徴は、食事の度に大量の汗をかき、味覚刺激による発汗量がとても多い状態です。人は酸味や辛味の強いものや刺激があるものを食べると、程度の差こそあれ発汗しますが、味覚性多汗症の場合は、味覚神経への刺激が過度になり、通常よりも大量の発汗を促します。中には普通の食事をしているにも関わらず、異常に汗が出るという場合もあります。症状が重い場合には、何を食べても常に額や鼻に汗をかき、友人との食事や外食することさえも精神的苦痛になるケースもあるようです。この味覚性多汗症の原因については、まだはっきりわかっていませんが、通常の味覚性発汗に精神性発汗が加わったものと考えられています。過度の緊張やストレス、汗で恥ずかしい経験をしたという過去の記憶などが食事への恐怖心となって表れ、この味覚性多汗症の原因になっているといわれています。

●更年期の症状としての多汗症
最近、多くみられるのが更年期による多汗症です。女性ホルモンのエストロゲンとプロゲストロンには、汗腺を調節する機能がありますが、更年期を迎えて女性ホルモンの分泌が減少することで、これらのホルモンバランスを崩してしまいます。その結果、体温調節機能が変調を来し、多汗症の症状があらわれるのです。また、ちょっとしたことでイライラするなど、更年期には不安定な精神状態であることが多いことも、精神性発汗が起こりやすい状態になることが考えられます。

多汗症にもいろいろあるのをご存じですか?

多汗症とは文字どおり、多量の汗をかくことです。汗っかきと多汗症とは混同されがちですが、実は似て非なるもの。しかし、これを区別するのは、専門医でないと少々やっかいかもしれません。汗をかくというのは、暑い時や運動、食事などによって上昇する体温を調節するための生理的現象です。汗っかきの人は、これらの変化に敏感に反応し、ちょっとしたことで人一倍の汗をかいてしまうということであって、あくまでも生理的現象の一部なのです。ところが、体温調節の必要がない時に大量の汗をかいてしまうのが「多汗症」で、全身に汗をかく「全身性多汗症」と、特定の部分にだけ汗をかく「局所性多汗症」があります。

●全身性多汗症
「全身性多汗症」とは、文字通り、胸部、腹部、背中、でん部、大腿部などにわたって全身から大量の発汗を発生させてしまう症状のことです。これは主に、脳の視床下部の体温調節中枢の異常や急性リウマチ、バセドー氏病、結核、婦人病、更年期障害といった他の病気が原因で、ホルモンバランスの著しい乱れを引き起こしている場合が多くみられます。生まれつきの体質(精神性発汗になりやすい性格の遺伝)の場合もあります。これらの合併症のような状態で、大量の汗を発生させている可能性もあるので、急に大量の汗がでるようになった場合は、専門の医師の診察を受けることをおすすめします。

●局所性多汗症
多汗症で圧倒的に多いのが「局所性多汗症」です。ワキの下や手の平、足の裏、頭部など局所にじっとりとした汗をかくというもので、主に精神的なストレスなどによって、自律神経のバランスが崩れるために起こる精神性発汗が多いようです。「冷や汗をかく」「手に汗を握る」という言葉があるように、汗は精神的な緊張でも分泌されます。元来、神経質な性格の人はもちろん、ワキガ体質の人であれば、ニオイを気にするあまり神経質になり過ぎて、この「局所性多汗症」を引き起こしている場合もよくあります。

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